落合 杜寿子 陶芸家


Ochiai Toshiko

技と自然の織り成す美しさを

落合 杜寿子 略歴

1954年 東京駒込に生まれる
1977年 武蔵野美術大学卒業(陶磁器専攻)
1977年 目白陶幻倶楽部勤務
1978年 成井立歩先生に師事
成井恒雄先生に師事
1979年 益子町に築窯・独立

【展示会出品】
伝統工芸新作展、伝統工芸武蔵野展、
クラフト展、亜細亜現代美術展、栃木女性百人展等

【個展】
渋谷東急本店、日本橋東急、
益子・やまに大塚、益子・壺々炉、笠間・きらら館

【二人展・グループ展】
銀座松屋、吉祥寺近鉄、つかもと作家館ギャラリー、びんろう、
ヤマハギャラリー、ギャラリー小川、大日山美術館等

↑zoom↑

窯とともに

↑zoom↑炎や、気象状態などを見ながら、じっくりと焚きこみます。

↑zoom↑灼熱の窯から立ち上る、美しい炎。 薪をひとくべごとに釉が溶け始め変化していきます。
窯変クライマックス!

益子町中心部から北東にある落合さんの工房を訪ねました。

窯の設置に都合よく、窯の煙が隣家に影響しないように考慮された、小高い丘の傾斜地にあります。
そこには登り窯、穴窯、丸窯、錦窯、炭窯、角型窯と大小6つの薪窯が据えられています。

落合さんは、蹴ロクロで成形し、メロン灰や梨の灰・トマト灰・卵の殻・シジミ・アサリ等、自然の灰から作った釉薬を使い、薪の炎で作陶を続けています。

窯は、数百束もの薪を使って焚きます。
窯焚きは、登り窯はあぶりを入れ4日、穴窯では5日から6日ほど焚きこみます。

登り窯で焼成した作品を、穴窯に詰め再度焚きこみます。窯変を狙って塩を50kgほど投げ込んだり、炭を入れたりします。

炎が絵を描いているようです。

窯変を楽しむ

塩釉作品を焚く窯の内部を見せていただきました。
その内壁レンガは、緑とも青ともつかない黒っぽい虹色のような艶をもって輝いていました。

食塩蒸気がもたらす陶器の美しさと、窯のレンガをも変化させる性質が、表裏一体の力であることを実感します。

落合さんは、技と自然の織り成す意外性を、意図する狙いから取り出す。窯変する作陶を楽しんでおられるようです。

照葉樹や広葉樹の林がぐるりとめぐり、少し下ったところには小さな沢があって、初夏には水芭蕉が咲くという工房の環境は、ものづくりのインスピレーションと、絶えることのない作陶の合間のひとときを補うものではないかと感じました。

お客さまに向けて
      ~ 落合 杜寿子メッセージ ~

薪窯にこだわり26年。

同じ作品はふたつとありません。
季節・湿度・風などの自然現象により、焼き上がりが違います。

一瞬一瞬の美しさを形に出来ればと思い作陶しています。
大地と炎の作品をお楽しみいただければ幸いです。