伊藤 剛俊 陶芸家


Itou Taketoshi

調和を求めて

伊藤 剛俊 略歴

1981年、埼玉県生まれ
益子の製陶所にて修行
2006年、益子で独立

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建築から陶芸へ

建築を学ぼうと大学に入りましたが、建築は対象の規模が大きすぎ、もっと身近で、自分の手で作れるものを学びたいと思いました。

大学に通いながら、次第に家にある器への関心が強くなり、料理を作るのも好きだったので、 いくつかの窯場を訪れるようになりました。
しかし、窯元の世襲制があったり、弟子を取らない作家だったりで、条件に合うところが見つかりませんでした。

そんなとき、縁あって益子の製陶所に入ることができました。
ここでは4年ほど集中してロクロを引き、思った形が存分に作れるようになりましたので、自由に作陶するため独立しました。

製陶所では益子の伝統的なものを中心に制作しました。
益子の土もおもしろいのですが、独立してからは白い器が作りたくなり、イメージを形にするため、今は磁器土を使うことが多くなりました。

紋様の作品

白地の器に赤絵を施していたら、紋様のバランスがすごく難しく、思い通りにならないことがありました。

気持ちを発散するように、丸い形をバッと描いて、それに意味をつけていきました。
そうしたら、丸を複合化した紋様ができたのです。

紋様による繊細な表情をつくり、全体の形と組み合わせることで、イメージを表現できるようになりました。

無地の作品

今はこの丸の複合紋様や、直線を組み合わせた紋様を多くの作品に描いています。

将来は、紋様を描かない無地の器で「ダイナミックな形」と「繊細な表情」を表現したい。

釉薬をかけた無地の食器のほかに、無釉焼締での「形」にも挑戦したい。

作品に込めたメッセージを、お客さまに伝えていけるようになりたいと思います。